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院内保育所・企業内保育所の安全対策!法令ガイドラインや予防策・事故の例を紹介

院内保育所や企業内保育所は、子どもの安全を最優先に考えることが重要です。特に、法令やガイドラインを遵守し、適切な安全対策が求められます。

本記事では、院内保育所・企業内保育所の安全基準、具体的な安全対策、過去に起こった事故例、そして安全基準を満たすためのポイントについて詳しく解説します。保育所運営をする上で必要な安全対策が網羅的に理解できる内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、院内保育所や企業内保育所の安全管理に不安がある方は、ぜひ一度タスク・フォースにご相談ください。全国で約120以上の保育所運営を行っている実績から、貴社に必要な安全対策や法令を遵守した運営の提案など、幅広いサポートを提供しています。詳細が気になる方は、以下のリンクからぜひ一度タスク・フォースにご相談ください。

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院内保育所・企業内保育所の安全基準

院内保育所や企業内保育所の運営で、守るべき安全基準は以下の5つです。

  • 認可外保育施設指導監督基準(児童福祉法)
  • 建築基準法
  • 消防法
  • 食品衛生法
  • 各自治体の条例

保育所の運営にあたって、必ず守らなければいけない基準です。順番に解説します。

認可外保育施設指導監督基準(児童福祉法)

院内保育所や企業内保育所の多くは「認可外保育施設」に該当し、児童福祉法に基づく「認可外保育施設指導監督基準」を満たす必要があります。この基準では、施設の設備や衛生管理、職員配置に関する細かい規定が設けられています。

例えば、子ども1人あたりの保育室面積は1.65㎡以上、1歳児6人に1人以上の保育スタッフ配置などです。

自治体による年1回以上の立ち入り調査が義務付けられており、重大な事故が発生した場合には速やかに報告しなければなりません。この基準を満たさない場合、行政指導や改善命令が出される可能性があります。

院内保育所や企業内保育所の配置基準についてもっと知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

内部リンク:院内保育所の配置基準は?企業内保育所の定員別・給食提供時に必要な人員や設置基準も紹介

建築基準法

保育施設の建物自体の安全性を確保するため、建築基準法を守る必要があります。特に、耐震性や防火対策、転落防止策などが重要視される項目です。

例えば、2階以上に保育所を設置する場合は耐火建築物であることが必要で、転落防止のための柵や手すりの設置が義務付けられています。さらに、避難経路の確保が重要で、非常口の設置や適切な避難誘導スペースも求められます。

消防法

消防法では、保育所の火災予防と安全対策が義務付けられています。

施設の収容人数が30人以上の場合、防火管理者を配置し、火災予防の管理を行います。また、消火器や自動火災報知機、避難誘導灯などの消防設備の設置も義務化されており、定期的な点検が必要です。

特に、小さな子どもたちは自力で避難することが難しいため、職員による適切な誘導が必須です。定期的な訓練を行い、緊急時に対応できるようにしておきましょう。

食品衛生法

院内保育所や企業内保育所で給食を提供する場合、食品衛生法に基づいた衛生管理が求められます。調理室は、十分な衛生基準を満たした設計が必要であり、従業員は衛生管理の研修を受けることが義務付けられています。

また、食品衛生責任者を選任し、以下のような衛生管理を行わなければいけません。

  • 食材の保存温度管理
  • 調理器具の消毒
  • アレルギー対応 など

特にアレルギーは子どもの体調に大きく関わるため、徹底された管理が求められます。

各自治体の条例

保育所の運営には、国の基準だけでなく、各自治体の条例にも従います。

例えば、東京都では「東京都認可外保育施設指導監督基準」が独自に設けられており、保育環境や職員配置、安全対策が細かく規定されています。

自治体によっては、バリアフリー基準や環境基準が追加で求められることも。自治体ごとに求められる基準が異なるため、担当窓口へ事前に確認し、必要な手続きや準備を行いましょう。

院内保育所・企業内保育所の安全対策6選

院内保育所や企業内保育所で実際に行うべき安全対策は、以下の6つです。

  • 環境整備を徹底する
  • スタッフの教育と訓練を怠らない
  • 子どもを監視できる体制を取る
  • 緊急時の対応計画を策定しておく
  • 食事と健康管理に努める
  • 法律と各種基準を遵守する

順番に解説します。

環境整備を徹底する

保育所の環境整備は、子どもたちの事故を防ぐための最も基本的な対策です。

全国の保育施設で発生した事故の大半は施設内で起こっており、環境整備の不備が事故につながります。具体的な対策として、指はさみ防止のドアストッパーや、家具の角にガードテープを貼るなどの設備を整えることが重要です。

例えばタスク・フォースが運営する保育園では、以下の取り組みによって事故防止を行っています。

  • 扉に指はさみ防止材を設置
  • コンセントを子どもが届かない位置に設置
  • 壁や収納棚にコーナーガードの取り付け

クッションマットを導入する、保護パッドを取り付けるなど、基本的な環境整備から始めてみましょう。

スタッフの教育と訓練を怠らない

保育スタッフの教育と訓練は、保育の質と安全性を高めるために必要不可欠です。

安全管理マニュアルをもとに指導し、緊急時の対応を実技を交えてトレーニングをします。事故が発生しやすい場面(遊具遊び、食事、午睡など)を想定したロールプレイ訓練を実施し、より実践的な対応力を養いましょう。

特に重要なのは、ヒヤリハット事例の共有です。厚生労働省の調査によると、保育所では大きな事故は少ないものの、ニアミスやインシデント(一つ間違えば事故になったと考えられる出来事)を園内で確認し報告し合うことが重要視されています。

定期的に勉強会やミーティングを行い、保育スタッフが必要な知識を持てるようにしましょう。

子どもを監視できる体制を取る

保育施設での事故防止には、常に子どもを観察することが最も重要です。特に、以下のケースでは事故リスクが高いため、職員の役割を明確にし、適切な監視体制を構築する必要があります。

  • 午睡・食事
  • プール・水遊び
  • 園外活動
  • バス送迎 など

睡眠時を例にすると、保育スタッフは子どもの顔色や呼吸の状態を細かく観察し、異常がないかチェックします。このとき、複数での監視体制で、同じ場所ではなく対面で監視し、子どもを多角的に捉えることが重要です。

保育スタッフ1人あたりの子どもの数も含め、監視体制の構築に努めましょう。

緊急時の対応計画を策定しておく

万が一の事故や災害時に備え、具体的な対応計画を策定し、職員全員がその内容を把握しておくことが重要です。

役割分担の明確化や緊急連絡網の整備、避難訓練の定期的な実施など、組織的な対応体制を構築します。​また、地域の関係機関や保護者との連携を強化し、緊急時に迅速かつ適切な対応が取れるように準備しておきましょう。

また、職員に限らず、子ども自身が安全・危険を認識できるよう、事故発生時の約束や行動の仕方について理解させておくことも重要です。

食事と健康管理に努める

院内保育所や企業内保育所では、食品衛生法に基づき、調理室の清掃、食材の保管、調理器具の消毒などを徹底し、食中毒のリスクを最小限に抑えます。

アレルギー対応として、個別の食事管理を行い、特定食材の誤提供を防ぐためのダブルチェック体制を確立しておきましょう。

また、登園時の健康チェックを行い、発熱や感染症の兆候がある子どもに適切な対応をすることも大切です。

法律と各種基準を遵守する

院内保育所・企業内保育所は、「認可外保育施設指導監督基準」などの規則を遵守し、適切な運営を行う必要があります。

施設の面積要件、職員配置基準、安全対策の実施など、各種基準を満たすことで、事故のリスクを軽減できるでしょう。

また、自治体ごとの条例に従い、行政の指導監査に適切に対応することも重要です。特に、補助金を受給している場合は、法令遵守ができていないと取り消しになる可能性もあるため、注意が必要です。

保育所の安全管理不足で起こった事故例

ここでは、保育所の安全管理不足で生じた事故例を紹介します。

  • お昼寝中の事故
  • プール・水遊び中の事故
  • 誤飲・窒息事故
  • 園外活動中の事故
  • 遊具・設備に関わる事故

どのようなケースで事故が生じるのかを理解して、対策できるようにしましょう。順番に解説します。

お昼寝中の事故

2024年12月に、東京都世田谷区の保育施設で、生後4か月の男児が昼寝中にうつぶせの状態で発見され、その後死亡する事故がありました。

男児がうつぶせの状態で寝かされていたことが原因とされ、施設の安全管理体制が問題視されています。
子ども家庭庁が公表している資料によると、令和5年に発生した死亡事故で、睡眠中の事故は最も発生件数が多くなっています。お昼寝中は特に窒息などの事故につながりやすいため、職員間での役割分担を明確にし、交代で子どもを見守るなど、安全なお昼寝環境を整える必要があります。

プール・水遊び中の事故

2017年にさいたま市の保育園で、3歳児がプールで意識不明となり、心肺停止の状態で発見されました。救命措置が施されましたが、翌日死亡が確認されています。

この事故では、プールにいた園児20人に対して保育士が1人しか配置されておらず、監視体制やプールの設計に問題があったことが指摘されています。

プールや水遊びは子どもたちにとって楽しい活動ですが、事故のリスクも伴います。水遊び時には必ず監視役と補助役を分けることを徹底するなど、安全面への配慮を徹底しましょう。

誤飲・窒息事故

2024年8月、神奈川県で1歳の男児が球形のチーズを食べて窒息し、12日後に死亡する事故が発生しました。男児は夕食時にこのチーズを喉へ詰まらせた際に吐き出せず、救急搬送されています。

球形チーズのほか、ブドウやミニトマト、ピーナツなど、丸くてつるっとしている食べ物は窒息を起こしやすいです。食事の際には、3歳未満の子どもには硬い食べ物や丸ごとの食材を与えないようにし、必ず大人がそばについて食事を見守りましょう。

園外活動中の事故

2019年5月8日、滋賀県で散歩中の保育園児の列に車が突っ込み、2名の園児が死亡、他の園児や保育士も重軽傷を負う事故が発生しました。交差点で右折車と直進車が衝突し、その衝撃で直進車が歩道にいた保育園児と保育士の列に突入しました。

散歩など園外活動中は、保育スタッフによる子どもの監視だけでなく。歩道が整備された道や交通量の少ない道を散歩コースとして選ぶことが重要です。

遊具・設備に関わる事故

2021年10月、岡山市北区の保育施設で2歳の男の子が滑り台などを備えた複合遊具で遊んでいる際、約10センチの隙間に首を挟まれ、その後死亡しました。

環境整備の不届きにより発生した事故で、遊具の点検や子どもの服装の最適化が指摘されています。遊具や園内設備は定期的に点検を行い、危険性がある屋外活動などでは監視体制の強化が必要です。

院内保育所や企業内保育所で安全基準を満たすコツ3選

院内保育所や企業内保育所で安全基準を満たすコツとして、以下の3つが挙げられます。

  • 定期的に設備や保育環境を見直す
  • 保護者とコミュニケーションを取る
  • 委託会社を利用する

順番に見ていきましょう。

定期的に設備や保育環境を見直す

安全基準を維持するためには、定期的な設備点検と保育環境の見直しが重要です。例えば、遊具や家具が劣化していないか、床や壁に危険な箇所がないかを定期的に点検し、不具合があれば迅速に修繕・交換します。

また、誤飲や窒息事故を防ぐために、乳幼児向けの玩具のサイズや形状を厳格に管理し、小さな部品を含むものは使用しないルールを設けます。

日々の安全確認を職員全員で行うことで、事故のリスクを最小限に抑えられるでしょう。

保護者とコミュニケーションを取る

安全な保育環境を維持するためには、保護者との連携が重要です。日々の送迎時の対話や連絡帳を活用し、子どもの体調や行動の変化を共有することで、事故のリスクを未然に防げます。

例えば、アレルギー情報や健康状態を細かく把握することで、誤食や急な体調変化にも迅速に対応可能です。保護者からの意見や要望を積極的に取り入れ、安全対策の改善につなげると、より安心できる保育環境を整備できます。

委託会社を利用する

安全基準の遵守が難しい場合、保育の専門委託会社を活用するのもおすすめです。委託会社は、認可外保育施設指導監督基準や各種法令に適合した施設運営を支援し、適切な職員配置や安全管理を徹底する体制を整えています。

また、事故防止のノウハウを持つため、最新の安全対策を導入しやすく、保育スタッフの研修や緊急対応マニュアルの整備も充実しています。企業が直接運営する場合よりも法規制の適合がスムーズになり、管理負担が軽減されるでしょう。

安全に配慮した院内保育所・企業内保育所の運営はタスク・フォースにお任せ

院内保育所・企業内保育所の安全確保には、認可外保育施設指導監督基準(児童福祉法)を始め、各種法令・基準の遵守が必須です。安全対策として、環境整備や職員の教育を徹底し、過去の事故例から対策をしておきましょう。

安全基準を満たすためには、設備の定期点検や保護者との連携を積極t的に行う必要があります。「安全基準を満たすために、なにから手を付けてよいかわからない」という方は、タスク・フォースに一度ご相談ください。院内保育所や企業内保育所の豊富な運営実績をもとに、貴社に必要な安全対策や法令上必要な手続きをサポートします。

詳細が気になる方は、以下のリンクからぜひ確認してみてください。

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