【病院紹介】
医療法人社団徳洲会 葉山ハートセンター
https://www.hayamaheart.gr.jp/
今回は、2000年に開院し、高度な循環器医療・心臓病治療を中心に地域に根ざした医療サービスを提供している葉山ハートセンターを取材しました。
看護部長の大澤栄子様に、直営運営していた院内保育園からタスク・フォースへの委託切り替えに至った背景や委託によって生まれた効果についてお伺いしました。
はじめに:ご所属と担当業務について
Q.まずは、ご所属や普段のご担当業務について教えてください。
葉山ハートセンターで看護部長を務めております。当院の看護部門全体の統括とともに、看護師が働きやすい環境づくりや採用・定着に向けた取り組みを担当しています。
Q.今回の保育園委託化には、どのような形で関わられたのでしょうか?
直営時代の運営から、委託化への舵切り、委託先の比較・選定、そして開園に向けた打ち合わせまで、全体を推進する立ち位置で関わりました。
導入前の課題:直営ならではの限界と「選ばれない保育園」への懸念

Q.そもそも、保育園を開設した経緯から教えていただけますか?
当院は2000年に開院したのですが、その開院と同時に直営の院内保育園を開園しました。当時は5〜10人程度のお子さんをお預かりしており、ママさんナースの採用や復職を支える存在としてスタートしました。
Q.直営の保育園ではどのような課題があったのでしょうか?
預かりのお子さんが2024年一時的にゼロになり、休園するタイミングがありました。ただ、育休に入っている職員がいて「1年後には復職したい」という声があったため、復職に合わせて再開する必要があったんです。
その際に直営で再開すべきかを検討したのですが、直営時代にはいくつかの大きな課題がありました。一つは「保育の質」に対する満足度です。長年同じ体制で運営していたこともあり、最新の保育などに対応しきれず、どうしても「託児所」のような形になってしまっていました。そのため、質の高い保育を求めて他の幼稚園や保育園に移るために退園されるお子さんもいらっしゃいました。
Q.現場の風通しや病院側の負担という面ではいかがでしたか?
直営の保育士も病院の直接雇用だったため、保護者である看護師さんから「子どものためにもっとこうしてほしい」という要望があっても、同じ職場の職員同士として気を使ってしまい、強く言えずに我慢してしまう傾向がありました。結果として「預けない」という意思表示になり、 外に良い保育園があればそちらを選ばれてしまうようないつのまにか「選ばれない保育園」になってしまっていたんです。
導入の決め手:コストと質のベストバランス、そして「信頼感」
Q.直営をやめ、委託に切り替えようと決断されたきっかけは何だったのでしょうか?
一度休園した際、従来のスタッフ(保育士)の方々にアンケートをとったところ、再雇用や再就職を希望される方がいらっしゃいませんでした。であれば、自前で再び採用・管理し直す負担や保育の質を考えると、直営の継続ではなく「委託に舵を切り直そう」と判断しました。
Q.事業者選定の際、重視されたポイントは何ですか?
一番重視したのは「価格と保育の質」のバランスです。複数の事業者様から説明を受けましたが、価格と保育の質を比較して、最も納得感があったのがタスク・フォースさんでした。
また、私は以前茅ヶ崎の病院で勤務していた際にも御社の委託保育を経験していました。当時から働くお母さんたちや子どもたちの満足度が非常に高く、どういう企業なのかを理解していたので、安心して選ぶことができました。
Q.直営から委託に切り替える際、「費用が高くなるのではないか」という懸念はありませんでしたか?
自前で保育士を雇用する人件費と比べても極端な差はなく、トータルコストとしては同等というイメージでした。
同等の費用感でありながら、 「保育の質がぐんと上がる」という大きなメリットがありましたので、病院の費用や管理を預かる事務長も大変満足しております。
導入の過程:無理のないスケジュールでスムーズな立ち上げ
Q.自営から委託へ移行する際、どのように体制を進められましたか?
開園目標の約10ヶ月前からスケジュールを組み、タスク・フォースの担当者様と綿密に話し合いながら進めました。
育休中のナースの復職時期に合わせて預かる人数を把握し、「どれくらいの人数を採用・受け入れすればよいか」を整理した上で進められたため、無理なくスムーズに移行することができました。
導入後の効果:子どもたちの笑顔、食育、そして採用への効果

Q.実際に委託化されて、一番変化を感じるポイントはどこですか?
お子さんたちの表情や笑顔ですね。定期的に園の様子のポスターを作ってくださったり、季節の作品を渡り廊下に飾ってくれたりするのですが、それを見る病院職員もニコニコしながら歩いています。
園内にとどまらず、定期的にお散歩で外へ連れ出してくれたり、園庭で野菜栽培をしたりと「体験を通して学ぶ保育」をしていただいています。情緒がとても安定していると感じますね。
──委託化をきっかけに「食事」の環境も大きく変わったそうですね。
そうですね。直営時代は病院の患者様と同じような食事を提供しており、残食が見られましたが、委託後は自園調理で子ども向けの食事を作ってもらえる体制に変更して、子どもたちも残さずしっかり食べるようになりました。「病院内で一番いい食事をしているのは子どもたちかもしれない」と思うほどです(笑)
Q.実際に利用している看護師(保護者)様からはどのような声が届いていますか?
「子どもが楽しそうに通ってくれるので安心です」など、勤務中に子供への不安を感じることなく仕事に専念できている様子も見られ、すごく満足度の高い声が上がっています。
Q.現場の保育士さんや弊社との「コミュニケーション」の面はいかがですか?
直営時代のような「気を使って意見が言えない」という状況はなくなり、風通しの良い関係性でお互いに相談ができるようになりました。
Q.院内保育園の充実が、看護師の採用や病院経営に与えた影響はありますか?
当院では現在、地域包括ケア病棟を開設するために、新たに看護師18名の採用を目指して体制を強化しています。現在も育休中の看護師が6名おりますが、敷地内に安心して預けられる質の高い保育園があることは、復職の後押しになるだけでなく、「子育て世代のナースを採用する際の宣伝効果」になっています。